注目の間取り

2023.02.14

井上 恒

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アパート経営の味方、井上です。

今回は最近注目されている「ある間取り」の話です。(対象は単身者向け25㎡前後のお部屋)

この10年以内に建築されたアパートでは、対象の広さの場合、風呂・トイレ別で洗面台が独立し、居室8帖程度の1Kタイプが多いかと思います。

居室はそれなりに広さがあって、効率的に家具を配置できるため現在では主流となっている間取りです。

そんな中、数年前から徐々に見られるようになったのが、居室を横並びにサイズ違いに2つに分けた横並びの2Kといった間取りです。(建築基準法上は1SK扱いになる場合もあります)

従来の1Kタイプの居室8帖部分を3帖と5帖に分けるようなイメージです。

この間取りは3帖を寝室、5帖をリビングとして使ってもらうことを想定しています。

8帖程度の広さでは、「小さな部屋2つ」よりも「広い部屋1つ」の方が良いとする方も多いと思いますが、たとえ狭くても「寝室」と「生活スペース(リビング)」を分けたいと思うニーズは少なくなく、市場にあまり出回っていない為にこの間取りが今人気となっています。

またその人気となる背景には、もともと単身者向けの間取りにおいては横並びの1LDKが理想とされており、家具メーカーやインテリア雑誌などでお洒落な部屋の構成を1LDKでコーディネートされているケースも多く、そういったスタイルではリビングと寝室は当然に分れており、それを見て憧れをもつ方々が多いからだと考えられます。

そういったことから1LDKでは家賃が高く手が出なくとも、狭くても似たようなイメージでインテリアが配置できる横並びの2Kが人気となるのも頷けます。

実際に弊社の管理物件でも全戸が横並び2Kタイプの建物がありますが、その建物は周辺相場よりやや高めの家賃設定でありながら、常に空き予定の段階で申込が入り、常に満室稼働を続けています。

約4年前の新築時には工事段階での内覧開始日から1週間で全10戸に申込が入り、竣工後すぐに全戸契約開始となりました。

また最近も親しい管理会社の方から聞いた話で、その会社の管理物件で同建物内に広さが同じで従来の1Kタイプと横並び2Kタイプが混在している物件があり、1Kタイプは家賃12万円、2Kタイプは家賃13万円に設定しているというのを伺いました。

言い換えると、同じ広さでも横並び2Kタイプは1Kタイプに比べ8%以上も高く家賃を設定できるという事です。

ただ横並び2Kタイプは、1室が長細い形の部屋では実現できず、ある程度横幅のとれる形でないといけません。

敷地の形状により設計段階で部屋の形というのは制限されますが、もし新たにアパート建築を検討されている方は、一度設計士の方に横並び2Kタイプで建築可能かどうかご相談されてみてはいかがでしょうか?